僕が勝手に思っているだけだが僕には師匠がいる。僕の師匠にも師匠がいる。彼らに出会えて僕は本当にラッキーだった。彼らから本当に多くのことを教わったと思う。
直接的に「あーしろ、こーしろ」というのではなく、一緒にトレードをしている最中の会話の中からトレードのヒントや考え方を身に着けることができたと思う。
始めのうちは彼らが何を言っているのか、その意味するところが分からなかったりする。でもこの会話での言葉はキーワードのような形になって頭の隅っこに残っていたりした。
そういったヒントは、自分が経験を積んでいく中で「すとんっ!」っと突然心の中に落ちることがある。「ああ!彼らが言っていたことはこういうことだったのか!!」と。
僕がまだFXを始めて数カ月だった頃、彼らから最初に教わったのはロスカットだった。
といっても、どうなったらロスカットをするといった具体的な話しではなくて、兎にも角にもロスカットをしろということだった。
「FXとか株とかで大事なのはね。ロスカットなんですよ。1にロスカット、2にロスカット、3、4がなくて、5にロスカットなんです!実は3、4もロスカットなんですよ。」と教わった。
僕の書く記事が利確やエントリーよりも、ロスカットについてのものが多いのはこの辺の影響が強い気がする。
今回は自分よりも投資経験が豊富な人の「言葉」について考えてみたい。これは微妙なニュアンスや感覚の部分についての話しになるので上手く説明できるか自信はないが、頑張って書き切ろうと思う。
長くなったらごめんなさいm(__)m
彼らからもらった「言葉」は後々になって「すとんっ!」と心に落ちる!
photo by Foster’s Art of Chilling
3人でトレードをしている時、師匠同士の会話を聞いていて「ん?どういうこと?」と思うことがよくあった。例えば「ロスカットレベル」という言葉だ。これは彼らの間で作られた造語なのでグーグル先生に聞いても出てこない。「ロスカットレベル」とは、いかに迅速にロスカットをできるかのレベルのことだ。そのままではある。
彼らは生粋のスキャルパーなので、エントリー・利確・ロスカットは全て手動で行われる。スキャルピングではどこまでもロスカットの早さが求められる。
当時の僕は数日から1週間くらいポジションを保有するスィンガーだったので(とはいえ手法とは言えないような手法だったと今は思うが。)、彼らの言っている言葉の意味は分かっても、もう一つ腑に落ちないでいた。
彼らはこう説明してくれた。「ロスカットレベルは日によって変わるんですよ。調子がいい時と悪い時があるんですよね。」
これが意味するところがよく分からなかった。当時僕にとっては利確もロスカットも指値と逆指値で行うのが常だったのでロスカットにレベルがあると言われてもいまいちピンとこない。
現在僕はディトレードとスキャルピングの両方を自分のトレード手法とする。今思うけれども・・・。
確かにある!!ロスカットレベル!!
そしてある!!調子のいい日と悪い日!!
スキャルピングをしていて、本当に調子がいい日は、ポジションを持った瞬間のティックで「あ!これあかん!」とすぐさま建値でポジションを閉じることができる。
調子の悪い日はどうかというと、「あ!これあかん!」で切ることができない。直感的には嫌な雰囲気を感じているのだが保有してしまう。こういう時はもう一つ悪い値段で切らされることが多い。
もっと調子の悪い日もあったりする。そういう時は「もう一つ悪い値段」でも切れない。順行を願ったりしてしまう時もある。とはいえ、もちろんロスカットはする。つまり「もう二つ悪い値段」で切らされてしまう。
それが吉と出るか凶と出るかはその日の相場次第だが、ロスカットが遅れて利益となった取引は、たとえ勝っていても実質負けである。これが常態化するとろくなことが無いので早い段階で意識的にリハビリをしたりする。あるいはふて寝ししまったり。
この「ロスカットレベル」なるものが心に落ちたときは非常に気持ちがよかった。
何が言いたいかというと、自分よりも経験豊富な人が発する言葉は後々になって「こういうことか!」と心に落ちてくることがあるということ。
先輩は考えの種を蒔いてはくれるが、これを心の底に落とし込む作業は自分の実体験を通してしか得られないものなのだと思う。
相場そのものの考え方について、ローソク足の見方について、メンタルの保ち方について、今思うと自分のトレードの根本的な土台となっている部分は彼らの言葉からきているものが多いと言える。
ブログや書籍などでもこういう「すとんっ!」があったりする
FX関連の書籍を読んでいても「ん?どういうこと?」というのはよくあった。
トレードには、言葉では理解ができないような、しかし非常に大切な「領域」のようなものがある。なんというか、それは「感覚として捉える領域」なのだと思う。
大切だ!ということは分かっているのだが、そういうことが心に落ちる状態とは脳みそではなく、「感覚の領域」での話しなのだと思う。
例えば、勝ちは常に勝ちではないし、負けは常に負けではない。という言葉。
言っている意味は、何となくは分かるが、この考えが心の全てに染み込み、かつその精神的な態度が土台として構築され、その土台を背景とした行動が取れるようになるまでは時間がかかる。
行動し、その行動がある程度常態化した段階で初めて「すとんっ!」と言葉が意味を成して心に落ちてくる。「なるほど、これか!」と。
その日の実質的な勝ち負けを決めるものは収支ではないということをもう一つ深い部分で納得できたりする。今日は勝ったけど負けた。今日は負けたけど負けてない。みたいなことが腑に落ちたりする。
例えが悪いかな?ん・・・・。
勝っているトレーダーが自信と前向きな態度を持っているのは、彼らが勝っているからではなく、こういった態度と行動が彼らに勝つことを可能にさせる。というのもある種「領域」の中で「すとんっ!」っと落ちる類だと思う。
チャートの動きと、その裏で行われているであろう売買や心理を教えてくれるようなブログもある。これらの説明も心に落ちるまでは、ひとつひとつの言葉が曖昧な概念のように心の中をふわふわとさまよった状態だったりする。あるとき突然「すとんっ」と落ちたりする。
「相場は分からない」このことについても、「分からない」ということは分かっているのだが、本当の意味で、つまり、この考えが心に落ち、土台として醸成し、それを背景とした行動をとり、その行動が常態化する。ここで初めて「すとんっ」っと落ちる瞬間が訪れたりする。
説明がとっても難しい・・・。
何が言いたいかというと・・・頭の片隅には置いておこう!ということ
自分と比べて経験豊富な人の言葉。それらの言葉は大切で価値があるということ。なぜなら、自分がこれから遭遇するであろう失敗や成功を、彼らは既に経験してきているからだ。
大きな失敗や失望、成功の体験も。良いことも悪いことも含めそれらから得た「感覚」がある。その言葉が「経験」からくるものであれば、たとえそれを聞いた時点で100%理解することはできなくても、覚えておく価値があるものだ。
ある時「ポンッ!」っと手を叩きたくなるような、ひらめきに似た理解が来ることがあったりする。
今現在自分が心に落ちていると思っていることにも、更に深い部分での「すとんっ!」があるだろうし、いま抱いている「ん?」ということも今後相場と接するにつれ「すとんっ!」が来るのだろうと思う。
そういうものが積み重なっていくと、相場において本当の意味で自分の強い味方になってくれる。
今後とも謙虚に相場と接していき成長していきたい。ストンストンうるさくてごめんm(__)m